熊本の弁護士法人 リーガル・プロの「従業員との間のトラブルについて」

従業員が、窃盗行為に及び逮捕されました。
この従業員を懲戒解雇することはできるでしょうか。

回答)
まず、就業規則の懲戒解雇事由を見てください。そこのどの条項に該当するかを決めていただくことが最初の検討事項となります(解雇事由の記載がない場合は基本的に解雇できません。)。
就業規則には、「犯罪行為を犯したとき」「特に不都合な行為をしたとき」などの記載がある場合には、そこを根拠に懲戒解雇を検討することになります。
ここで少し検討しなければいけないのは、就業規則の文言に該当するから即懲戒解雇が可能となるわけではありません。
裁判例上では、①当該行為の性質、情状、②会社の事業の種類・態様・規模、③会社の経済界に占める地位、経営方針、④その従業員の会社における地位、職種の四要件に照らして実質的に判断され、実務上は懲戒は厳しく制限されていると言われます。